この本、読みました!番外編 ばくうどの悪夢
書籍情報
書名:ばくうどの悪夢
著者:澤村伊智
出版社:角川書店
出版時期:2022年11月
中学入試採用実績:おそらくなし(未調査)
公式紹介文(角川書店HPより引用)
比嘉姉妹シリーズ、待望の最新長編。澤村伊智が放つノンストップホラー。
「眠れば、死ぬ」
東京から父の地元に引っ越してきて以来、悪夢に悩まされていた「僕」は、現実でもお腹に痣ができていることに気づく。
僕だけでなく、父親の友人の子供たちもみな現実に干渉する悪夢に苦しめられていた。
やがて、そのうちひとりが謎の死を遂げる。
夢に殺されたのか。次に死ぬのは誰か。なぜ、悪夢を見るのか。
理由を探る中でオカルトライターの野崎と真琴からお守りをもらい、僕らの苦悩はいったん静まったかのように思われた。
しかし、今度は不気味な黒ずくめの女に襲われる悪夢を見るようになる。 「比嘉琴子」と名乗るその女は、夢の中で僕を殺そうとしてきて──。
本を手に取ったきっかけと読書順
2025年8月某日。息子と妻が、母子ふたりで図書館へ出かけました。
これは息子にとって、人生初の「母子で行く図書館デビュー」。私は仕事で同行できず、帰宅後にふたりからその様子を聞くのを楽しみにしていました。
館内を歩きながら本を選ぶ時間は、きっと穏やかで温かいものだったに違いない――そう思っていたのですが、息子が手にして帰ってきたのは、まさかの超本格ホラー小説『ばくうどの悪夢』。
今回、この作品を選んだ背景には、本好きの妻から息子への“本の選び方講座”がありました。
「本を選ぶときは、まず読みたいジャンルを絞ってそのエリアへ行く。本の巻末に著者の経歴が載っているから、そこに受賞歴があれば、結構いい作品に出会えると思うよ」
――そんなアドバイスを受けた息子が、遠くから見守る妻の視線を感じつつ、書棚を行き来しながら選び出したのが本作だったのです。温かいデビューのはずが、肝を冷やす選書になっていました。
息子の反応と感想
その日のうちに読み始めた息子。
翌日、「どうだった?」と聞くと、開口一番こう言いました。
「怖い。すごく怖い。でも、おもしろかった」
さらに彼はこう説明します。
「最初の数分を時速100kmで走ったかと思うと、その次は時速10kmで進み、最後は時速200kmまで加速するジェットコースターのような恐怖」
その独特な比喩に、父として思わず笑ってしまいました。
ちなみに私はというと、「じゃあ、お父さんも読もうかな?」と口にした瞬間、息子に即座に止められました。
「いや、お父さんはまず子ども向けのホラーから読むべきだよ」
――子どもが大人に、しかも“子ども向け”を勧めるという、なんとも不思議な構図にクスッとしてしまいました。
読書を通じて感じたこと
母子での初めての図書館体験で、こんな強烈な一冊を引き当てたことも含め、きっと忘れられない記憶になるでしょう。
どうやらこのジェットコースターは、彼の意思でこれからも乗り続けるようです。
そういうわけで、本作は私が読んでいないため番外編扱いです。
…まあ、“特番”みたいなものですね(笑)。