退職金はいくらもらえる? ─ サラリーマンMKが勤務先制度を例に徹底解説

あなたの退職金は「いくら」なのか?まずは全体像をつかむ

多くのサラリーマンが抱く疑問──「退職金って、結局いくらもらえるの?」

ところが実際に調べようとすると、

・会社によって制度がバラバラ
・DB、DC、一時金の区別が難しい
・制度資料が複雑

など、「全体像がつかみにくい」という壁にぶつかります。

そこで本記事では、サラリーマン税理士である私MKの勤務先の退職金制度を例として使い、退職金の仕組みを実例ベースで丁寧に解説します。

私の勤務先は、

・一時金
・DB(確定給付企業年金)
・DC(確定拠出年金:会社拠出+任意拠出)

という 3本柱の退職金制度をすべて備えており、しかもDBもDCも「一時金/年金」を選べる という柔軟な構造です。

退職金制度全体を理解するには非常に良いモデルなので、この制度を例にしながら解説していきます。

退職金の種類は3つ(DB/DC/一時金)

退職金制度は大きく3つに分類されます。

・DB(確定給付企業年金)
・DC(確定拠出年金)
・会社の退職一時金

私の勤務先の制度では、退職金ポイントの構成比率は次のようになっています。

・一時金:40%
・DB:40%
・DC:20%

このように3つの制度がバランスよく組み合わされているため、制度理解の例示として非常に使いやすい構造になっています。

自分の勤務先の退職金を知る方法(ポイント制度が最大の武器)

多くの会社では「就業規則を読む」「人事部に聞く」などが必要ですが、MKの勤務先では事情が少し違います。

最も重要なのは次の点です。

毎月の給与明細に「退職金ポイント」が明示されている。

これは非常に大きな特徴です。

まずは給与明細を確認(最優先)

給与明細には、次の情報が載っています。

・現在の退職金ポイント
・前月からの増加額
・累計ポイント(=今やめたら受け取れる退職金の総額)

つまり、MK勤務先の場合は給与明細を見るだけで、現時点の退職金額が分かるということです。

他社でも、
・退職金原資
・企業年金残高
などが給与明細に書かれている場合があります。

年1回送られてくる通知書を確認

会社によっては、企業年金や退職金ポイントの通知書が年1回届く場合があります。

・企業年金のお知らせ
・退職金ポイント通知
・DCの会社拠出通知

こうした書類も必ず確認するべきです。

就業規則・退職金規程を見る(一般的な方法)

ポイント制度が整っている会社でも、詳細な計算方法や受け取り方法は規程で確認できます。

・一時金の支給基準
・DBの受給形態
・DCの会社拠出額のルール

など、制度全体を把握する上で欠かせません。

DB・DC・一時金の違い(MK勤務先の制度を例に)

基本はご自身が入手された情報をもとに計算しますが、ここではMK勤務先の制度構造を例として説明します。

一時金(退職金の40%)

退職時に会社から直接支給される部分。
ポイント制度では、

退職金ポイント × 40% = 一時金

となります。

DB:確定給付年金(退職金の40%)

会社が将来の給付を設計する部分。

・終身年金
・10年または20年の確定年金
・一時金との併給(半分ずつ等)

など、受け取り方の選択肢が豊富です。

退職金ポイント制度では、

退職金ポイント × 40% = DBの原資

となります。

DC:確定拠出年金(退職金の20%)

会社が毎月一定額を拠出し、従業員が運用する部分。

退職金ポイント制度では、

退職金ポイント × 20% = DC会社拠出の累計額

となります。

退職金の「将来予測」はこうする(ポイント制度の最適解)

ポイント制度の最大のメリットは、将来予測が非常に簡単にできることです。

1年間の退職金ポイント増加額を見る

次の手順で計算できます。

① 給与明細で【現在の退職金ポイント】を確認
② 1年前の給与明細で【1年前の退職金ポイント】を確認
③ 差額=1年間の退職金ポイント増加額

例:
・今年:1,500万円
・昨年:1,420万円
→ 差額:80万円(=1年間で増えた退職金ポイント)

残りの勤続年数をかけ合わせる(概算に最適)

もっとも使いやすい予測方法は次のとおりです。

現在の退職金ポイント+(1年間の増加額 × 残りの勤続年数)

昇級・評価などで増減はありますが、概算としては十分に使えます。

DCだけは別計算で積み上がる

退職金ポイントの中には、

・一時金
・DB
・DCの会社拠出分

がすべて含まれています。

そのため、将来のDC拠出額(会社拠出分)は、退職金ポイントとは別に積み上げて考える必要があります。

サラリーマンMKの例(※実例ではなく説明のための仮の数値です)

以下は「本当の数値ではありません」。
制度説明のための仮の例です。

・勤続:20年
・現在の退職金ポイント:1,500万円
・DC会社拠出累計:300万円
 → 一時金+DB=1,500万円−300万円=1,200万円
 (=一時金600万円、DB600万円)

【1年の増加額】
・退職金ポイント:80万円
・DC会社拠出:年額16万円

【10年後の試算】
・退職金ポイント合計:1,500万円+(80万円×10年)=2,300万円

【内訳】
・DC会社拠出累計:300万円+(16万円×10年)=460万円
・一時金:600万円+((80万円−16万円)×1/2×10年)=920万円
・DB:600万円+((80万円−16万円)×1/2×10年)=920万円

このようにポイント制度を利用すれば、退職金の現在地と将来像を非常に明確に把握できます。

まとめ:退職金の理解は「現在地」を知ることから

退職金制度は複雑ですが、ポイント制度がある会社であれば次の3つで十分です。

① 給与明細で現在のポイントを確認
② 1年前と比較して増加額を把握
③ 残りの勤務年数をかけ合わせて将来予測

次の記事では、

・一時金と年金の税金の違い
・翌年の国民健康保険の跳ね上がり方
・受け取り方で手取りがどれだけ変わるか

といった、退職金の“本丸”に踏み込んでいきます。