退職一時金の本質(制度 × メリット)
退職一時金は“最強の退職金”なのか?-仕組みとメリットを正しく理解する-
退職金には、一時金・企業年金(DB)・確定拠出年金(DC)の3種類があります。その中でも最もシンプルで、多くの方にとって理解しやすいのが 退職一時金 です。
税制上の優遇が非常に強く、国民健康保険にも影響しないため、「最強の退職金」と呼ばれることもあります。
ここでは、退職一時金の本質とメリットを整理します。
退職一時金とは何か?(もっともオーソドックスな退職金)
退職時にまとまった金額を 1回だけ 受け取る方式です。
- 会社が金額計算
- 源泉徴収で税金処理が完了するケースが多い
- 確定申告は原則不要
- 国保に影響しない
- 制度として読み解きやすい
企業年金のような複雑な選択肢はなく、まず理解すべき退職金の“基本形”といえます。
税制面の圧倒的優遇(退職所得控除 × 1/2課税)
退職一時金の最大のメリットは、
税負担が極めて軽くなる仕組み にあります。
◎ 退職所得控除(例:勤続38年の場合)
- 800万円
- +70万円 ×(38年 − 20年)= 1,260万円
= 合計 2,060万円が控除
つまり、退職金が 2,060万円以下なら税金ゼロ です。
◎ 給与で同額もらったらどうなるか?
給与として2,060万円受け取った場合、
所得税は 約466万円(概算)。
この差を見るだけでも、一時金の優遇の大きさがわかります。
国保に影響しないという大きな安心材料
退職金の中でも“一時金だけ”が持つ特性として、
一時金は退職所得扱いのため、翌年の国保に影響しない
という点があります。
- 年金受取(雑所得)は国保が上がる
- DBやDCの年金部分も同様
しかし一時金は計算対象外です。
退職直後の家計にとって大きな安心要素です。
確定申告が不要になるケースがほとんど
退職一時金は、会社が
- 退職金の計算
- 控除適用
- 税額計算
- 源泉徴収
を行うため、原則として 確定申告は不要 です。
(複数の退職金があるなどの例外を除く)
手続きが複雑になりにくく、不安を抱えずに済む制度です。
「シンプルさ」は大きなメリットであり、扱い方には注意が必要
退職一時金は制度がシンプルで理解しやすい反面、まとまった金額を受け取ることで判断が揺らぐことがあり、
- ご褒美的な支出
- 将来資金の使い方がぼやける
といった変化が起きやすくなります。
制度が優れているからこそ、事前に目的をはっきりさせておくこと が大切です。
まとめ:退職一時金の本質
退職一時金の本質は次の3点です。
- 税制優遇がきわめて強い
- 国保に影響しないため家計が安定する
- 扱いやすい制度だが、使い方には計画性が必要
シリーズ②の記事では、
この「扱い方」に焦点を当てます。

