vol-001|「得意なはずの算数で40点」──親の想定が崩れた瞬間
2025年2月。塾に通い始めたばかりの息子が、得意だったはずの算数で「40点」を取って帰ってきました。復習テストの点数。平均点を大きく下回る数字。
私は、目の前の答案をじっと見つめました。息子の表情はうつむきがちで、でもどこか開き直ったようにも見える。
「40点か……」
覚悟はしていたはずなんです。小6からの入塾。周りは先に通塾している子ばかり。最初は苦戦するだろうと分かっていた。でも、いざこの数字を目の当たりにした瞬間、それまでの“理性的な私”は崩れ去りました。
『得意なはずの算数で、なぜ……』
頭のどこかで、ずっと思っていたんです。得意な算数があるから、何とかなるだろう。理科や社会が分からなくても、国語にムラがあっても、算数だけは大丈夫。その“支え”を信じていた。でも、その支えがいきなり崩れたような感覚でした。
点数が悪かったことで、息子にガミガミ言ったわけではありません。 でも、心の中では大きく揺れていたのだと思います。 『このままで、本当に大丈夫なのか?』
本人は、それほど深く落ち込んでいないように見えました。むしろ、塾の授業が新鮮だったのか、楽しそうに話をしていた。それが、さらに私を混乱させたんです。なぜこんな点数で、こんなに楽しそうにしていられるの?
──でも、そうか。 それは彼にとって“学び”のスタートラインだったんですね。
私たち大人は、「結果」を見てしまう。 でも、子どもたちは「過程」の真っただ中にいる。
もし、あなたも「うちの子、得意なはずの教科でこんな点数を取ってきて……」と驚いたことがあるなら。 私たちは同じ船に乗っているのかもしれません。
今は結果に一喜一憂してしまうかもしれない。 でも、それも親として自然な感情です。
まずは深呼吸をして、目の前の我が子を見つめ直してみませんか。 塾の世界はこれからが本番。私たち親も、ここから学び直していけるのだと思います。
※この記事は、MKリアルブログ連載「中学受験、父と息子の365日戦記」の第1話に対応したメッセージです。
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