vol-024|「この問題、何が正解なの?」と聞かれて、答えに詰まった夜

「この問題、何が正解なの?」

夜の自習タイム。
国語の問題を一緒に見ていたとき、息子にそう尋ねられました。

問題文も設問も、それなりにしっかり読みました。
でも──答えに詰まってしまいました。

たしかに、これは正解として〇がついている。
でも、息子の答えにも、それなりの理由がある。
むしろ、読んでみると「なるほど」と思えるところもある。
「なぜこっちはダメで、そっちは正解なのか?」

その場で私は、うまく説明することができませんでした。

中学受験の国語って、難しいですよね。

特に記述問題。
「模範解答」にはなっているけど、それが本当に正解なのか、どこまでが許されるのか。
親が読んでも分からないことが多いです。

それに、子どもの表現って、大人とは違う視点で言葉を選んでいたりするんですよね。
それが正解にならないとしても、そこにはその子なりの「読み取り」がある。

それを頭ごなしに否定してしまうのは、何だかもったいない気がして。
だからその夜は、「これが正解とは書いてあるけど、あなたの答えもいいと思うよ」と伝えました。

もしかしたら、それは“正しい指導”ではなかったのかもしれません。

でも、正解よりも大事にしたかったんです。
「読むことって、面白い」「考えるって、自由なんだ」──
そんな気持ちを、子どもが持ち続けてくれることを。

たとえ今すぐ成績にはつながらなくても、いつか「読解する力」や「感じ取る力」に育ってくれると信じて。

 「この問題、何が正解なの?」

あの夜の問いかけは、子どもからの学びのきっかけでもありました。
答えられなかった自分を責めずに、むしろ「一緒に考える」親でありたい。

そんな気持ちを、今も忘れずにいたいと思っています。

——あの日の私のように、少しだけ戸惑っているあなたへ。

このお話は、「中学受験365日戦記」第5話と連動しています。
あわせてお読みいただけると、きっと共感していただけることがあると思います。

息子の成績・宿題・感情…実際の家庭で起こったリアルな記録はこちら👇
👉 中学受験、父と子の365日戦記|第5話を読む

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