vol-032|「自走の兆し」が見えたとき、親はなぜ戸惑ってしまうのか

中学受験を控えたお子さんが、自分から動き始めたとき。
たとえば、何も言っていないのに「もう一回、見直しておこうかな」と呟いたり、プリントを手にとってじっと眺めていたり。

そんな「自走の兆し」を見た瞬間、思わず心が震えるような気持ちになることがありますよね。
ずっと願ってきた光景のはずなのに、どこか戸惑いも感じてしまうのは、きっとあなただけではないと思います。

それはもしかすると、
「このまま本当に続くのかな?」
「一時的なやる気じゃないのかな?」
そんな不安が心のどこかにあるからかもしれません。

子どもが成長する過程では、波があります。
何度も期待して、何度も肩透かしを食らって、がっかりして。
それでも、期待せずにはいられなくて。

だからこそ、「おっ、やる気が出てきたかな」と感じたときに、それを素直に喜べない自分がいたとしても、それはとても自然なことなのだと思います。

でも、きっと子どもはその一歩を踏み出しています。
たとえぎこちなくても、小さくても、それは確かな一歩。

親にできることは、過度に期待したり、先回りして口を出すのではなく、その小さな変化を見逃さずに、そっと寄り添うことなのかもしれません。
たとえ一歩後退する日が来たとしても、前に進もうとしたことを、心から「すごいね」と伝えてあげられたら、それがきっと、子どもにとって何よりの力になるはずです。

焦らず、慌てず、でも希望は手放さずに。
そのまなざしが、子どもの背中をそっと押してくれると信じています。

このお話は、「中学受験365日戦記」第7話と連動しています。
あわせてお読みいただけると、きっと共感していただけることがあると思います。

息子の成績・宿題・感情…実際の家庭で起こったリアルな記録はこちら👇
👉 中学受験、父と子の365日戦記|第7話を読む

もし「うちの子のこと、誰かに相談したい」と思ったら、同じように中学受験を支えている親としてお話を伺います。
お気持ちを一緒に整理していきましょう →【無料相談】