vol-039|「言わなくてもやっている」瞬間の喜びと戸惑い

「あれほど言ってきたのに、やらなかった。」
「何度言っても聞かなくて、親子で言い合いになったことも数え切れない。」
ときには、親が説教に熱を入れすぎて、子どもが身をすくませてしまったこともある。

——そんな日々を繰り返してきたのに、ある日ふと、子どもが自分から机に向かう姿を目にすることがあります。

——「言わなくてもやっている」。

たったそれだけのことなのに、胸の奥がじんわりと熱くなる。
長い時間をかけて、ようやく芽生えた自走の芽。
その瞬間に立ち会えたことが、親として何よりの喜びになります。

けれど同時に、不思議な感情も生まれます。
「自分の出番が減っていく」ことへの戸惑い。
口を出さないと決めていたはずなのに、本当に何も言わなくても進んでいくわが子を前にすると、どこか取り残されたような寂しさを覚えるのです。

中学受験は、子どもが成長するだけでなく、親にも“子離れ”を促す時間なのかもしれません。
まだまだ見守りや支えが必要だと分かってはいても、確実にその一歩は始まっている。

だからこそ、「信じて見守る」ことが大切になります。
成績の上下や気持ちの波に一喜一憂しながらも、子どもが自分の力で歩み始めた芽を、焦らず、折らず、育てていく。

—— あなたも、「言わなくてもやっている」その姿を目にしたことはありますか?
そのとき、胸に広がったのは、喜びでしょうか。戸惑いでしょうか。

このお話は、「中学受験365日戦記」第9話と連動しています。
あわせてお読みいただけると、きっと共感していただけることがあると思います。

息子の成績・宿題・感情…実際の家庭で起こったリアルな記録はこちら👇
👉 中学受験、父と子の365日戦記|第9話を読む

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