この本、読みました!第12回 告白
書籍情報
書名:告白
著者:湊かなえ
出版社:双葉社
出版時期:2008年8月
中学入試採用実績:その内容故に中学受験での出題を確認していない(きっとない)
公式紹介文(双葉社HPより引用)
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人の家族」「犯人」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
本を手に取ったきっかけと読書順
「中学入試に頻出の作家」と検索すると、湊かなえさんの名前が出てきました。あまり深く考えず、姉に「湊かなえさんの本、持ってない?」と聞いて借りてきたのが『告白』です。
2009年本屋大賞第1位の作品なので、きっと面白いだろうと軽く考えて、息子に「読んでみる?」と薦めました。今思えば、これは安易すぎました。
読書順は息子が先、私が後。しかも私はオビすら読まずに渡してしまっていました。
親子で読んだ感想
先に読み終えた息子の感想は「わずか300ページ足らずでここまで読者に強いインパクトを植え付ける、この本は恐ろしい」というものでした。さらに「良い作品は一度読むだけではダメで、もう一度読み直して細かいところまで感じるべきだ」とも言っていました。
そのときの私はまだ本を開いていなかったので「良い本に出会えてよかったね」と軽く返しただけでした。
ところが、自分が読み始めてみて驚きました。オビにあった「読中感も読後感も最悪なのに、先が気になってページをめくる手が止められない!」という評がまさにその通りだったのです。第1章を終えた時点で「こんな本を小学生の息子に読ませてよかったのか?」と強い不安を覚えました。しかもこれは序章にすぎず、ラストに向けて衝撃はどんどん加速していきました。
そして息子は「1度では足りない」と言い、読み終えた直後に2周目に突入しました。私はただ呆然とするしかありませんでした。
読書を通じて感じたこと
「読書は良いことだ」と思ってきましたが、年齢やタイミングを考えないと危ういこともある――それが率直な感想です。
私はもう一度読み返す気にはなれませんでしたが、息子はすぐに2周目へ進みました。おそらく、表面的なインパクトだけでなく「人間の誰もが持ちうる狂気」を理解しようとしていたのだと思います。怖くて詳しくは聞けませんでしたが…。
もしそのうえで「面白かった」と言ったのだとしたら、それはそれで怖いことです。やはり、まだ子どもらしい感覚を持ち続けてほしいと強く願いました。

