退職一時金の落とし穴(心理 × 資金管理)
大金を一度に受け取ることで起こる変化
退職一時金は制度的には非常に優れていますが、大きな金額を一度に受け取るため、受取後の行動に変化が生じやすくなります。
ここでは、特に多い2つのポイントを整理します。
1. 「思ったより使ってしまった」という変化が起こる
退職直後は生活環境が変わりやすく、支出が重なる時期でもあります。
- 自分へのご褒美
- 旅行
- 家の修繕
- 家電の買い替え
こうした支出が続くと、「思ったより使ってしまった」というケースが起こりやすくなります。
特別なことではありませんが、事前に意識しておくと落ち着いて判断できます。
2. アセットアロケーションが一瞬で変わる
退職金は金額が大きいため、受取の瞬間に資産全体の構造が変わります。
例:退職金2,000万円を預金で受け取る場合
◆ 受け取り前
- 株式:1,000万円(50%)
- 預金:1,000万円(50%)
◆ 受け取り後
- 株式:1,000万円(25%)
- 預金:3,000万円(75%)
“理想の資産配分” から大きく離れてしまうことがあります。
3. 理想に戻そうとして、相場タイミングの影響を受けやすい
資産配分が崩れたことで、
「退職金の一部を株式に回そう」
と考えたとします。
しかし、その時の相場環境は
- 高値圏
- 過熱気味
- 下落前夜
など、さまざまです。
一回の大きな投資が老後資産に影響を与える可能性がありますし、
- 暴落中の恐怖で買えない
- 回復局面を逃す
といった場面に直面することもあります。
退職金という“まとまった金額”ならではの特徴です。
4. 退職一時金は制度ではなく「扱い方」が難しい
一時金は制度としては非常に優れています。
- 税金
- 国保
- 手続き
ここに弱点はほぼありません。
難しいのは 受け取った後の扱い です。
- 心理的な変化
- 資産構造の変化
- 相場環境
- 生活スタイルの変化
こうした要素を踏まえて行動する必要があります。
まとめ:退職一時金は“扱い方”で良さが活きる
退職一時金の落とし穴は、制度の問題ではなく行動面にあります。
- 支出が重なりやすい時期
- 資産配分が大きく変わる
事前に知っておくだけで、退職金を安心して扱いやすくなります。
次の記事では、
“10年前からの準備”という観点から、
退職金をより活かす方法を考えます。
