【中学受験、父と息子の365日戦記】第1話|塾デビュー初日、宿題に押しつぶされかけた息子と父の涙

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2025年2月、息子が塾に通い始めた。小6からのスタート。決して早くはない船出だった。
初めての授業は算数と社会。得意なはずの算数の復習テストで、いきなり40点という衝撃の数字が突きつけられる。息子はへこみ、私は言葉を飲み込んだ。

宿題の多さは覚悟していた。でも想像以上だった。塾から渡された教材は、まるで「自分で管理できることが前提」になっている。それは小6から始めた息子には、少し酷だった。

それでも帰宅後、息子は興奮気味に授業の話をしてくれた。目を輝かせながら、授業で面白かった話を教えてくれるその姿を見て、「親としてどう接するべきか」を強く考えさせられた。

何か言いたくなる。でも、言わないと決めた。
私は彼の応援者に徹しようと決意した。勉強のアドバイスではなく、立体四目(ボードゲーム)の対戦相手になることを選んだ。なおこの日は私が2戦2敗。

テストの点数が悪いと、どうしても「もっと頑張らせないと」と思ってしまう。
だけどそれは、息子のためではなく、私自身の安心のためかもしれない。

「プロセスこそが宝」――その言葉を自分に何度も言い聞かせる。
でも、本音では「結果も欲しい」。
その葛藤を抱えながら、塾生活が始まった。

このとき、まだ中学受験の過酷さも、親の感情がここまで揺さぶられることも知らなかった。
たった数ヶ月後に、私が「親ブーストは毒」という言葉に出会い、深く頷く日が来るとは夢にも思っていなかった。

(続く)

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この経験を通じて感じたのは、「焦っているのは、いつも親のほうだ」ということ。
同じような状況にいる方がいたら、「大丈夫、一緒です」と声をかけたいです。

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※この物語は全8話(随時更新)で構成されています。次話はこちら → 第2話