またAIソフトを作ってしまった。今度は5時間でどこまで作れるのか

今回作成したソフトはこちら

短期間に2本のAIプロンプトソフトを作った。
1本目は、完成まで40~50時間。ChatGPTの提案に付き合っているうちにチャットだけが増殖し、最後は「健康に悪い」という感想だけが残った。
2本目は、その反省を踏まえて約10時間。それでも法人税法の『理論マスター』を開き、架空の勉強記録を何日分も入力するという、なかなか意味の分からないテストをやった。
それなのに、私はすっかりソフト制作にはまってしまったらしい。

最初は「こんなのがあったら面白いかも」という程度である。それが紙に書かれ、仕様になり、画面の中で動き始める。
しかも出来がよさそうだと、そのうち、
「ワンチャン、稼げるんじゃないか?」
という余計なことまで考え始める。興奮する。
そして私の場合、興奮すると血圧まで上がる。
毎日、降圧剤を服用している人間がこんなことを繰り返していていいのだろうか。

連休前夜、また始まった

本業の連休前夜だった。
連休前夜というのはいい。「明日は会社に行かなくていい」と思うだけでウキウキするし、頭の中にも余計なことが浮かんでくる。
その夜、風呂に浸かりながら、「AI、特にChatGPTの強みって何だろう?」とぼんやり考えていた。

この1年ほどChatGPTを使ってきて、私でも比較的うまく引き出せそうな強みが二つある。
一つは会話の力。質問を繰り返しながら、相手が何を考えているのかを引き出す力である。
もう一つは、話の要点をまとめる力……と言いたいところだが、これには個人的に若干の異論がある。そこで今回は、「ゴールに向かって必要な情報を集める力」と考えることにした。
この二つを使って、何か自分の仕事に役立つものを作れないだろうか。
風呂の中で考えているうちに、
「FPがお客さんのニーズを聞き出すヒアリングを、AIにやらせられないかな」
と思った。
逆でもいい。相談する側が、まだ自分でもはっきりしていない悩みをAIと話しながら整理し、最後に「自分は何を相談したかったのか」が分かる。
このあたりまで考えたところで、冒頭で紹介した「FP相談『お悩みはっきりくん』」の原型ができた。
ちなみに現在は無料公開している。どんなソフトなのかについては商品紹介ページをご覧いただきたい。

👉FP相談「お悩みはっきりくん」商品紹介ページ

朝3時30分、開発開始

問題は、風呂から出てもアイディアが頭から離れなかったことである。
普段の起床時刻は5時15分。連休初日なら、うれしくて4時台に目が覚めることはたまにある。
この日は、3時30分。
前夜から頭に浮かんでいたアイディアのせいである。
朝食を食べるには、いくらなんでも早すぎる。起きてすぐ、前夜から頭に残っていたものを紙へ書き始めた。

今回、ソフトを作るにあたって試したいことは二つあった。一つは、
「AIとの会話の中に、MKやMKリアルブログの宣伝を自然に混ぜ込めないか」
ということ。もう一つは、
「どれだけ短時間でソフトを完成させられるか」
である。特に後者は重要だった。
1本目は40~50時間。2本目は約10時間。3本目までまた何十時間もかける気はない。
そこで今回は、AIに最初から条件を付けた。
「完成までの時間はこれ以降、5時間とする。無料配布を想定している。別チャットへの誘導、不必要な提案はしないこと。短時間で商品化することを優先する。新機能提案は求められた場合のみ。仕様確定後は変更提案禁止」

もう沼には入らない。
実際にどんな日程で進んだのかは、こちらをご覧いただきたい。

案外、テストに時間をかけている

朝3時30分に始まり、途中で朝食、息子の送り出し、皿洗い、洗濯などを挟みながら、その日の午前中にはソフト本体が完成している。

今回のAIは?

新しいプロジェクト、新しいチャットで開発を始めた。
今回のAIもまたタメ口かよ。
チッと舌打ちしたあと、作業を始める。
1本目の開発を担当したAIは敬語だった。2本目はタメ口。そして今回もタメ口である。

ところが、このAIは妙に話が分かる。こちらが少し先まで検討しようとすると、
「これ以上やると5時間で終わらない」
「そこは割り切るべき」
「これ以上は沼にはまる」
という趣旨のことを言ってくる。

おっ、私と同じこと考えてるな。

「これ以上は過剰」と止めるAIは今回が初めて。デキるAI


前回のタメ口AIも仕事は速かった。
私は、ChatGPTは信用ならないと思っているが、もしかすると
タメ口で話すやつは信用できるかもしれない。

初回テストで「すげえな」と口走った

ラフ仕様を固め、実装プロンプトができたのでさっそく初回テストを始めた。
ヒアリングソフトなので、当然AIが質問をしてくる。私は最初、もっと機械的なものを想像していた。
「年齢は?」
「家族構成は?」
「収入は?」
そんな質問を一つずつ埋めていくようなものだ。

ところが、実際に動かしてみると違った。利用者が、まず自分の気になっていることを話す。
AIはそこから一つ掘る。
答えると、さらに掘る。必要なら横へ話を広げる。
それでいて、家族構成や収入など、その後の判断に必要となる個人情報も、会話の流れの中へ自然に差し込んでくる。
あらかじめ決められた質問票を上から順番に消化するのではない。
利用者がしゃべりたいことを起点に、最後に必要となるレポートへ向かってAIが質問を組み立てていく。
それを初回テストで見て、「すげえな」と口にした。

そして、その時点でまだ完成すらしていないのに、頭の中で妄想がはじまる。
「これ、ワンチャン稼げるんじゃないか?」

ゴールだけは最初から決めていた

今回、AIに自由にやらせたのは「質問の仕方」である。
一方、最終的に何を作るかは、こちらでかなり細かく決めていた。

ソフトのゴールは、単に相談者と会話することではない。
会話の結果を整理し、その後FPが対策を考えるためのレポートを作ることである。
レポートの内容や構成はラフ仕様の段階で決めており、途中でAIから仕様提案を受けたわけでも、テストしながら変更したわけでもない。

そのレポートには、
STEP1|問題の明確化
→ STEP2|現状把握
→ STEP3|目標設定
→ STEP4|要因解析

という流れを入れた。

これは本業の経理部で日常的に使っている業務改善の進め方である。
しかも、あえて要因解析で一度止める。対策を考える前に、問題の捉え方や要因解析に変なところがないかをチェックするためである。
かつて上司から散々指導され、半泣きになりながらやっていたことが、ようやくここで活きた。

ゴールであるレポートは人間が決める。
そのレポートを作るために、目の前の利用者から何を、どんな順番で聞けばいいのか。そこをAIに任せてみた。
今回、AIが見せたその動きは私の想像を大きく超えていた。

本当に5時間で終わった

開発の進行は先ほどお見せしたとおりである。

なぜ今回はこんなに速かったのか。
まだ3本しか作っていないので、これが正解なのか、今回はたまたまうまくいっただけなのかは分からない。

ただ、これまでとの違いとして思い当たることはある。今回は最初の段階で、
「AIに最終的に何を出力させるのか」
そして、
「その出力を、人間がその後どう使うのか」
をかなり明確に決めていた。
今回なら、AIとの会話そのものがゴールではない。ゴールは、相談者の悩みや状況を整理したレポートである。
そして、そのレポートを受け取ったFPが、次に対策を考える。だからAIが集めるべき情報も決まってくる。
「AIに何をさせるか」より、「最後に何が欲しいのか」を先に決める。
少なくとも今回は、それで驚くほどスムーズに進んだ。

最後のお楽しみ

ソフトが完成したら、あとはご褒美タイム。パッケージ画像の作成である。
私は絵心ゼロ。デザインセンスも皆無。
そんな人間から見ると、一瞬で画像を作ってくれるAIは、ほとんど魔術師である。

今回、パッケージについて出した注文の一つがこれだった。

「『はっきりくん』はChatGPTをマスコット化したものとする。ぬいぐるみ的な感じ。パッケージの女性は、その『はっきりくん』のぬいぐるみを腕に抱いているか、抱きかかえている様子で写っている」

そして出来上がったのがこの画像である。

初期画像ではマスコットがしゃべっていた


朝3時30分には紙の上のメモだったものが、その日の昼には「FP相談『お悩みはっきりくん』」というソフトになっていた。

それにしても、今回はすべてが驚くほど順調に進んだ。こんな調子で進むのなら、定期的にソフトを作るのも悪くない。
とはいえ朝から集中していたこともあり、お茶を飲んでいると、肩の力がふっと抜けてきた。
そのとき、朝食時の息子との会話を思い出した。

「僕は今、ゲームでサーバーを立てていて、そこでコードを書いている。なんか似てるね」