東海中高365日戦記 2026年6月の記録
この連載は、東海中高に通う息子について、父親である私から見えた範囲を記録するものである。
家庭で見える姿、学校で見せる姿、部活動で見せる姿、友人と過ごす姿。それらは必ずしも同じではない。中学生ともなれば、親が知ることのできる世界は急速に狭くなっていく。
ここに書かれていることは息子の全体像ではなく、家庭という限られた場所から見えた一つの側面に過ぎない。それでも未来の自分と家族のために、月に一度記録を残していこうと思う。
遠足
6月初旬、遠足が行われた。
私の感覚では、遠足とは先生に「連れて行ってもらうもの」である。
ところが東海中では少し違うようだ。
学校から配られた案内には、遠足の候補地がいくつか示され、その中から生徒たちが話し合い、クラスごとに目的地を決めると書かれていた。
息子のクラスが選んだのは、南知多グリーンバレイだった。
バーベキューを楽しんできたらしい。
帰宅後、遠足の様子をいろいろ聞いてみたものの、相変わらず多くは語ってくれない。
それでも、
「焦げた焼きそばだったけど、おいしかった。」
「知多牛が出た。すごくおいしかった。」
ということだけは教えてくれた。
BBQなのに制帽を被って行ったものだから、夏用の日覆いは炭で黒く汚れ、帽子はすっかり焦げ臭くなって帰ってきた。
息子のクラスは入学当初から元気な子が多いようなので、きっと一日中賑やかだったのだろう。
詳しい話は聞けなくても、帽子の匂いだけで十分伝わってくるものがあった。
個人面談
6月中旬には個人面談が行われた。
小学校時代は夫婦で参加していたが、今回は仕事の都合がつかず、妻に任せることになった。
担任の先生からは、
「部活動を頑張っているのが素晴らしいですね。」
「部活動を続けている限り、特に心配はいりません。」
という話だったそうだ。
逆に先生が唯一心配していたのは、
「何らかの事情で部活動を辞めてしまい、その後、代わりのものを見つけられるか」
とのことだった。
親としては、
ゲームばかりやっていること、
家でまったく勉強しないこと、
朝なかなか起きられないこと、
気になることはいくらでもある。
しかし、一日の大半を見てくださっている担任の先生が
「問題ありません。」
と言われるのであれば、それを信じるしかない。
それなら我が家として当面取り組むべきことは一つだ。
ゲームを減らすことでも、勉強時間を増やすことでもない。
まずは毎朝、余裕を持って学校へ送り出すこと。
当面は、それだけを親としての目標にしようと思った。
ゲームをやめて勉強してくれたら、それはもちろん嬉しい。
しかし今は、それを親が求める段階ではないように思う。
先生が「部活動を続けている限り心配ない」と言ってくださるのであれば、その言葉を信じたい。
第49回サタデープログラム
6月27日、東海中高が主催する「サタデープログラム(通称:サタプロ)」へ参加した。
サタプロは、生徒が企画・運営する土曜市民公開講座である。
講師への依頼、当日の運営、ホームページ制作など、約70もの講座を生徒実行委員が中心となって作り上げる、東海中高を代表する行事の一つだ。
私は数年前、甥が企画・運営に携わった講座へ参加したことがある。
その時に驚いたのは、「生徒がどうしても話を聞きたいと思った講師を自分たちで招き、自分たちで運営している」ということだった。
ここまで生徒主体で一つの大イベントを作り上げる学校があるのか。
当時、大きな衝撃を受けた。
その時から、
「息子が東海へ入学したら、毎年参加しよう。」
と決めていたのである。
今年は午前中、息子は部活動へ参加し、午後から会場で合流する予定だった。
ところが体調を崩してしまい、結局、私一人で参加することになった。
今回は三つの講義を受講した。
どの講義も非常に興味深く、講師のお話はもちろん、企画・運営した東海生からも多くの刺激を受けた。
「なぜこの講師を招いたのか。」
「その講義から何を学びたかったのか。」
そんな話も聞くことができた。
講義そのものも素晴らしかったが、生徒たちの学ぶ姿勢や企画に込めた思いを知ることができたことが、私にとっては何より印象に残った。
あまりにも書きたいことが多くなってしまったので、サタデープログラムについては
『東海中高365日戦記【番外編】第49回サタデープログラム参加記』
として、別の記事にまとめることにしたい。
6月を終えて
入学から3か月が過ぎた。
相変わらず家ではゲームをしているし、勉強している姿は全く見ない。
その一方で、毎日部活動へ通い、学校では友人と過ごし、遠足を楽しみ、少しずつ東海中での生活を自分のものにしているようにも見える。
家庭から見える姿は、そのほんの一部に過ぎない。
しかし個人面談やサタデープログラムを通じて、学校の先生や先輩たち、生徒自身がどのような思いで学校生活を送っているのか、その一端に触れることができた。
4月は「入学した」という実感の1か月だった。
5月は「部活動が始まった」1か月だった。
そして6月は、息子だけでなく、父親である私自身も「東海という学校」を少し理解できた1か月だったように思う。

